「阿修羅」の呼吸と身体 :身体論の彼方へ
「阿修羅」の呼吸と身体: 身体論の彼方へ
著:勇崎賀雄
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まえがき
序 章
身体とことばと方法論について
第一章
痛みと氣
痛みという身体の神秘
氣を扱うむずかしさ
第二章
身体の現在
非言語情報と氣
哺乳類と母子関係
体罰・暴力・成熟
第三章
呼吸法の歴史と真実
健康としての呼吸法と行法としての呼吸法
シャカの呼吸法の誤解
内観と内氣の呼吸
第四章
超越性としての身体
人間という存在
垂直性の解明
終 章
身体論の彼方へ
あとがき
2006.4.17
「行法と哲学の一致」「まったく新しい身体の世
界の構築」「東洋と西洋の身体観・身体論の統合」
という大事業に挑戦した意欲的な書です。
著者の勇崎氏は、西野流呼吸法の道場で長く指導
部長を勤めたプロ中のプロ。日本で有数の呼吸法
修行者であり指導者であります。
私も西野流門下生だった五年間には、勇崎先生に
何度も稽古をつけていただきました。
その勇崎氏が西野師のもとを離れ、独自の「呼吸
身法」という行の体系を考案されたのです。
西洋哲学から仏典や道教教典まで、膨大な参考文
献から引用しながら進める勇崎氏の解説には鬼気
迫るものさえ感じました。しかも、これまでどん
な呼吸法の書籍にも見られなかった独自の説が多
数盛り込まれている。
頭脳だけで思索を重ねる哲学の限界を論じながら、
三千年におよぶ「呼吸の歴史」を詳細に分析し、
現代の「行」として呼吸法を位置づける試みです。
本書は頭だけでは理解しにくい内容ですが、知的
好奇心は十分すぎるほど刺激されます。また、こ
れから「身体知」を開発するきっかけにもなるで
しょう。
かなり手ごわい一冊です。
投稿者 kurosaka : 2006年4月17日コメント
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