ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


北京2008オリンピック・オーケストラ

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2008.7.30 関空から北京へ

昨夜8:00に富山県氷見市を出発したムジカグラー
ト一行は、バスで早朝に関西空港へ到着。関西か
ら参加の山本富男先生や、東京から参加の水行末
も合流してチェックイン。

中国国際航空928便で到着した北京空港は曇り空
でした。迎えに出てくれているはずのガイドさん
が見つからず、旅行会社へ電話。ICカードの使い
方も、電話のかけ方も知らなかったのですが、緊
急事態ですから、そこらへんにいた中国の女性に
お願いしてなんとか連絡をつけました。

ガイドさんたちの携帯番号を教えてくれたので電
話をかけてみると、幸いなことに日本語の話せる
方でした。私たちが出てきたところとは別の場所
で、2時間前から待っていたのだとか。

北京空港はオリンピック用に新しい建物を増築し
ていたせいで、うまく出会えなかったのかもしれ
ません。私も昨夏に来たときとは空港のようすが
全然違うので戸惑いましたし。

バスに乗り込み、オリンピック・オーケストラ村
となる第一城(Grand Epoch City)へ。空港から
の高速道路もオリンピック一色。道の両側に延々
とオリンピック・フラッグがはためき、お祭り気
分が盛り上がります。

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予定を大きく遅れて、第一城へ到着したのは午後
8時頃。そのまま大食堂へ向かい、中華バイキン
グです。長旅と空腹のせいか美味なり!熱烈歓迎
中華料理です。

私たちがこれから11泊する福安宮酒店は、今年開
業したばかりの5つ星ホテル。アメリカからもオ
ーストラリアからもオーケストラ村に「入村」し
たばかりで、ホテルのロビーは国際色豊かです。

このホテルがある第一城という施設は、広大な敷
地を城壁でぐるりと囲み、商店や娯楽施設、ゴル
フ場、国際会議場、ホテル数カ所などを擁した複
合リゾート。北京中心部から車で1時間ほどの郊
外にあります。2000名近いメンバーが一同に会し
て練習するオリンピック・オーケストラの合宿所
は、これくらいのスケールが必要なのですね。

さあ、明日から猛練習です!




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2008.7.31 パート練習

ホテル内で中華バイキングの朝食。朝からおいし
いワンタンなぞいただけて、我感至福☆

今日は金管、木管、打楽器、カラーガードに分か
れてパート練習です。ジブリ映画「千と千尋の神
隠し」にも似た雰囲気に満ちた第一城。その広い
広い空間をフルに使って練習に打ち込みます。

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北京オリンピック・オーケストラは、全員で演奏
する「テュッティ・オーケストラ」のほかに、ア
メリカを中心とする「レッド・オーケストラ」、
オーストラリアと日本を中心とする「グリーン・
オーケストラ」、そして中国を中心とする「ゴー
ルド・オーケストラ」の三つの下部楽団がありま
す。今日はテュッティ・オーケストラで演奏する
曲をパートごとに分けて練習です。

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今回、日本からは富山県のムジカグラート氷見と
いうバンドが参加しています。中学生を中心に高
校生と一部大学生も加わった53名の編成です。私
たち日本代表のお世話をしてくださるのが、ガイ
ドの李 東風(り・とうふう)さんと安 立同(あ
ん・りつどう)さん。お二人とも日本語がとても
上手です。

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安さんは日本で5年間ほど働いていたそうですが、
李さんは大連の大学で勉強しただけで、なんと日
本にはいらしたことがないのだそうです。でも日
本料理屋にはよく行くので、刺身も納豆も大好き
だとか。

今回のツアーでは「順風耳」という名の秘密兵器
が活躍しています。千里眼が透視の超能力なら順
風耳はテレパシー。実際、そのような役割を果た
すテクノロジーが順風耳です。

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どんなものかというと、まず小型軽量の受信機を
生徒全員が持ち、イアホンで音声を聞けるように
します。すると顧問の先生は小さなマイクを使っ
て静かに話すだけで、騒々しい環境、たとえばホ
テルのロビーなどでも、大声を張り上げることな
く必要な連絡ができるわけです。

電波はわりと広い範囲をカバーするので、生徒を
小さなエリアに集める必要もありません。ですか
ら食事会場などでテーブルが散らばっても、日本
の子たちだけに必要なメッセージが送れます。団
体ツアーではとても便利な道具です。今回のオリ
ンピック・オーケストラでは、李さんと安さんの
アイデアでこれを採用したので、今のところ順風
耳の恩恵にあずかっているのは日本代表だけのよ
うです。画期的ですよ、ほんと☆

明日から、いよいよ合奏練習に入ります。




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2008.8.1 合奏練習始まる!

北京オリンピック・オーケストラには3種類のユニ
フォームがあります。

1.テュッティ・オーケストラ用
 特別デザイン五輪マーク入りコスチューム
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2.グリーン・オーケストラ用
 緑のポロシャツ
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3.リハーサル用
 緑のTシャツと白いキャップ
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オリンピックオケのロゴが入って、どれもなかな
か素敵なデザインの衣装です。縫製もしっかりし
ているし、色もきれいで、ユニフォームについて
は大満足。

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毎日中華料理を食べ続けているのですが、野菜は
たっぷりあるし味付けもシンプル。日本ではあま
り味わえない薄い塩味のスープが毎食のようにつ
いているので、個人的には食事も大満足です。

さて、今日から合奏練習が始まりました。アメリ
カを中心とするレッド・オーケストラと、オース
トラリアおよび日本を中心とするグリーン・オー
ケストラとに分かれて練習です。

朝8:00から9:15まで合奏。そしてまたパート別に
分かれて9:45から11:30まで練習。特にドラムライ
ンはマーチングバンドの心臓部ですから、念入り
に合わせます。

今日の昼はジャージャー麺(炸醤麺ジャージアン
ミエン)。日本の中華料理店やコンビニでは、唐
辛子や豆板醤などで辛めの味付けがされて、麺も
ラーメンなどと同じ鹹水を使用した麺が使用され
ることが多いようですが、中国では甘めの味付け
で、麺も鹹水の含まれない柔らかい麺です。

私はもともとジャージャー麺にはあまり興味がな
かったのですけど、今日のは美味でした。ほかに
チャーハンを少々、おっそろしく辛い担々麺など
も小鉢でいただき、幸せいっぱいです◎

午後はしばらく休んで、15:30から16:30までふた
たびパート練習。そして16:45から18:00まで合奏
練習と、たっぷり練習しました。

このほかに50名だけの選抜楽団の練習がありま
す。これは「IOCバンド」と呼んでいますが、国
際オリンピック協会のロゲ会長を迎える歓迎式典
(8月5日開催予定)で、メインスタジアム「鳥の
巣」で演奏するバンドです。ちなみにロゲ会長は
昨日、北京に到着されたそうです。

練習につぐ練習で今日はみんな疲れたようです。
明日からは中国人のゴールド・オーケストラも加
わって、いよいよ壮大なテュッティ・オーケスト
ラの練習が始まります。

●おまけ
男子トイレ小用の壁にこんな注意書きが書いてあ
ります。

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あなたが踏み出す一歩は小さいが、文明にとって
は大きな一歩である、なんて意味でしょうかね。
だとしたら気が利いてるなあ。




|熊|猫|ニ|ュ|ー|ス|
2008.8.2 全体オケ練習

今日からは中国の生徒たちも加わって、全員で演
奏するテュッティ・オーケストラの練習です。

第一城の正門前にある広場を使って、ドラムライ
ンの動きや指揮の合図などをチェックです。なに
しろ2000名近くの人数で、英語、中国語、日本語
の通訳を交えたりするので、簡単なことを伝える
のにもけっこう時間がかかります。

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英語と中国語を話す人、日本語と中国語を話す
人、日本語と英語を話す人など、いろんな人が入
り混じってインターナショナルな練習です。

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天気は快晴。強烈に照りつける日光のもと、午前
中に一通りのリハーサルをしました。昼食と午後
の休憩をはさんで、夕方から通しのリハ。

そして午後6時30分からは、来賓を招いてドレス・
リハーサルをしました。北京オリンピック組織委
員会や教育委員会、音楽関係者らを招いて1時間の
模擬演奏です。

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明日は、朝4:00に第一城を出発して北京へ。今日
と同じ内容を天安門広場で披露します◎




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2008.8.3 天安門広場

午前2:30起床。シャワー、洗顔、ウォーター&ブ
レスなどをすませて3:30ロビー集合。まだ夜も明
けぬ第一城を大型バス35台が続々と出発、天安門
広場をめざします。朝食はバスの中でとり、1時間
あまりの移動を仮眠にあてました。

北京市内からは中国の生徒たちがバス20台で合流
し、いよいよ北京オリンピック・オーケストラの
演奏が始まります。

天安門広場はイベント会場となっていて、毎日た
くさんの芸能が披露されています。しかし、私た
ちのような外国人がここで演奏するのは史上初。
これは数年前に紫禁城で3大テノールが演奏会を開
いて以来の特例なのだそうです。

当然ながら天安門広場には厳重な警備体制が敷か
れ、すべてのバスは事前に乗車人数と責任者名を
登録、外国人は全員パスポートの携帯を義務づけ
られています。

天安門広場の駐車場に到着すると、係員が鏡のつ
いた長い棒を使って、一台一台車の下をチェック
します。麻薬犬(?)が何頭も登場してバスを確
認していました。

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客席数も人数が限定され、一般客は入れないよう
になっています。選ばれた人たちだけが今日の舞
台を鑑賞できるのです。中国中央電視台もテレビ
取材クルーを派遣。ムジカグラート氷見からはア
ルトサックスの竹下眞理子さんがインタビューを
受けました。

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余談ですが、どういうわけか私(黒坂)もラジオ
局のインタビューを受けることになり、中国人イ
ンタビュアーと天安門広場で英語のやりとりをす
るという奇妙な展開となりました。

ゴールド(中国)、レッド(アメリカ)、グリー
ン(オーストラリア、日本、グアム)の個別演奏
に引き続き、テュッティ・オーケストラでオリンピック・メドレーと中国メドレーを1時間にわたっ
て披露(午前7:45〜8:45)。大いに受けました♪

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ただ強い日射しの中で立ちっぱなしのため、体調
を崩す子もいました。オーストラリアのメンバー
が数名、国際救急車で運ばれました。熱中症と思
われます。

このあと北京市内のホテル5箇所へ分かれて昼食。
そしてオリンピックのメインスタジアム鳥の巣や
水泳競技場ウォーターキューブ(水立方)なども
車窓見学しました。

ここまで練習漬けの日々で、第一城を一歩も出て
いなかったので、お土産物屋さんでショッピング
の時間を少し設けました。みんな結構気合いを入
れて買い物に打ち込んでいました◎

朝が早かったので、今日はこのまま第一城へ戻っ
て、ゆっくり休養です。

明日も早くから万里の長城へ向かいます☆




|熊|猫|ニ|ュ|ー|ス|
2008.8.4 万里の長城

中国に何日か滞在して、たくさんの人たちと話し
ていると、日本から見る中国(および中国人)と
は違う印象を受けます。


 読売新聞社と中国・新華社通信発行の週刊誌
 「瞭望東方週刊」が実施した「日中共同世論
 調査」によると、現在の日中関係への評価は、
 日本では「良い」36%、「悪い」57%だった
 のに対し、中国では「良い」67%、「悪い」
 29%と大きく食い違っていることがわかった。
 (読売新聞 - 08月03日)


たしかにこの調査が示すような友好ムードの印象
が、中国では感じられます。日本のマスコミは中
国嫌いと言われることがありますけれども、私た
ちの中国観は、いくらかその影響を受けているの
かもしれません。

また、北京五輪オーケストラのような多国籍プロ
ジェクトは、日中という二国間の関係ではなく、
アメリカ、オーストラリア、日本、そして中国の
共同作業です。

中国のあそこが悪い、ここが問題だという雰囲気
はなく、みんなが中国を中心に協力関係を築くと
いう姿勢です。

吹奏楽やマーチングの技術も中国はまだ発展途上
ですが、今回の合同演奏をきっかけに、この分野
も大きく成長することが期待されます。


 余談ですが、タングマジックも中国へ進出でき
 たらいいなと考えています。中国側スタッフの
 中にはトランペット奏者もいますし、彼の父親
 も人民解放軍の楽団でトランペットを吹いてい
 るとか。また、オリンピック・オーケストラの
 活動を通じてたくさんの音楽指導者や作曲家な
 どと知り合うことができましたので、フレック
 ス・タング・ビルドやハイ・エア・ビルドを紹
 介してみようと思います。


さて、今日は万里の長城での演奏。第一城からバ
スを連ねて約4時間の道のり。中国のゴールドオケ
は参加せず、レッドオケ(米国)とグリーンオケ
(豪州、日本、グアム)の2団体が交代で演奏しま
した。

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古代の城壁に囲まれての演奏は、歴史を呼吸するかのような独特の雰囲気です。ふつうはこの場所
でイベントを行なうことはできないそうですが、
北京五輪組織委員会の特別のはからいで、オリン
ピック・オーケストラに演奏機会を与えてくれた
のだとか。多謝!

明日はまたリハーサルで、明後日の天津での演奏
に備えます。




|熊|猫|ニ|ュ|ー|ス|
2008.8.5 選抜バンド

午前中は第一城で全体練習。明日の天津での演奏
会に備えます。午後は全員で写真撮影。夜はゴー
ルドオケ(中国)のメンバーも交えて夕食会、そ
して交流パーティーです。

一方、レッドとゴールドから選ばれた50名(IOC
バンド)は別行動。昼に軽く練習して、ランチを
食べたら北京へ向けて出発です。

メインスタジアム鳥の巣や水泳競技場ウォーター
キューブのあるオリンピック公園。そこに設けら
れた特設ステージでは、夜7:00にIOCのジャック・
ロゲ会長の歓迎セレモニーが開催されます。IOC
バンドはその式典までの前座(?)演奏および、
オリンピック・ファンファーレの担当です。

IOCバンドに日本からはアルトサックスの竹下眞
理子さんが選ばれています。オリンピック・パー
クへの外国人の入場は厳しく制限されているよう
で、事前に登録したリストに載っている人以外は
入れません。北京オリンピック・オーケストラか
ら選抜された50名の演奏者のほかに、指揮者やス
タッフなど9名だけ(私もその1人です)が同行を
許可されました。

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パーク入口の検問は非常に厳しく、申請書の名前とパスポートの名前を照合し、顔写真を見比べ、
金属探知機を通ってようやく入場です。2台のバス
がオリンピック公園の検問を通るのに1時間近くか
かりました。

さすがに選抜バンドだけあって、音がクリーンで
す。鳥の巣をのぞむ屋外ステージで、VIPたちを
迎えるための歓迎演奏を1時間ほど披露しました。

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余談ですが、イベント会場にはいかにも広告代理
店の営業マン風の人や、テレビ局プロデューサー
然とした風貌の人が闊歩し、コンパニオン風のお
姉さんたちも優雅に歩き回り、ギョーカイの空気
プンプンでした。こういう雰囲気は日本も中国も
変わらないみたいですね。

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さて、特筆すべきは、演奏を終えてバスに乗り込
んでから支給されたお弁当です。熱々の中華弁当
ですが、こういうものをいただいたのは初めてで
す。メニューは、白飯、鳥の辛み炒め、カリフラ
ワーと豚肉の炒め物、キュウリの炒め物、青菜と
豆の炒め物という、野菜たっぷりの内容。いやあ
おいしかった!

よく日本食は健康食といわれますが、揚げ物や肉
料理ばかりの日本のコンビニ弁当と今日の中華弁
当を比べれば、健康的という意味では文句なく中
華に軍配が上がると思います。

オリンピック公園内で少しお土産を買ってから、
バスで第一城へ戻りました。そこではパーティー
がまだ続いていたので、私たちも合流しました。

明日は天津で演奏です。




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2008.8.6 天津での演奏

今日のコンサートは天津で。北京オリンピック・
オーケストラとしては最後の演奏になります。
天津には6万人収容のオリンピックセンタースタジ
アム(中国名:天津奥林匹克中心体育場/愛称は
「水滴」)があり、五輪期間中はサッカー競技が
開催されます。

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市としても五輪開催に力を入れていて、私たちの
オリンピック・オーケストラも破格の待遇で迎え
てくれました。まず、大型バス64台で天津市内に
入るや、すべての信号は青、合流する道路はみな
ブロックして、私たちはノンストップで会場まで
到着できました。まさにVIP扱いです。

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演奏会場は、ユニークなデザインの天津博物館を
のぞむ広大な銀河広場。五輪期間中は「天津奥運
文化広場」としてオリンピックの関連イベントが
開催されます。

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天津市幹部、オリンピック組織委員会天津文化活
動部の職員なども列席し、地元のお客さんも入れ
て盛大に演奏会を開催しました。

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演奏終了後、グリーンオーケストラの指揮者リン
ゼイ・フロストがメンバーを集めてスピーチしま
した。


 「みんな、ありがとう。貴重な体験を共有
 できて嬉しかった。また2012年にロンドンで
 会おう!」


レッドはアメリカ人ばかり、ゴールドは中国人ば
かりですが、グリーンだけはオーストラリア、日
本、グアムの国際混成チームなので、不思議な連
帯感が芽生えているのです。

楽器を片付け、大急ぎで支給された夕食(アメリ
カ人たちの強い希望で、あろうことかマクドナル
ドのハンバーガー!)をいただき天津オリンピッ
クセンタースタジアムへ向かいます。

今日は、北京オリンピックの競技が始まる第一日
目(サッカーは開会式より先に試合を始める)。
その第二試合となる女子サッカーのゲームをみん
なで観戦しました。カードは「中国ースウェーデ
ン」。地元チームの試合とあって、応援にも熱が
入ります。

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サッカーの国際公式戦を(というかサッカーの試
合自体を)スタジアムで観戦するのは私は初めて
ですが、ものすごく楽しい! 試合の流れがよく
わかるし、迫力があるし、なにより声援が場内に
轟きわたって気分が高揚します。

ゲームは試合開始早々に中国が1点を先取。しかし
すぐにスウェーデンも点を取り返し、同点のまま
後半戦へ。後半戦で中国が1点を追加し、そのまま
逃げ切り、「中国2ースウェーデン1」で地元チー
ムの勝利となりました。

試合終了後、バスを連ねて第一城へ戻ります。ホ
テルに着いたのが午前1時。長い一日でした。

明日は頤和園(いわえん)を見学します。




|熊|猫|ニ|ュ|ー|ス|
2008.8.7 夏の離宮

今日は頤和園(いわえん)の見学。1750年に清の
乾隆帝が母親の誕生日を祝うために築かせた離宮
で、1886年に西太后が再建し、避暑地として使用
したそうです。敷地の大部分が昆明湖と呼ばれる
人造池。1998年世界遺産に登録。

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ねこ気功を主宰している私としては、こういう雰
囲気のいい水辺の公園で、朝の練功をしたら気持
ちいいだろうなと思います。さすが気功の本場、
中国のよい「気場」を感じます。

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昼食後、春来茶芸館というお店を訪問。ここでは
何種類もの中国茶の入れ方を目の前で実演してく
れて、それを味わうことができます。次から次へ
と少しずつおいしいお茶が出てきます。

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やせるお茶、目にいいお茶、肝臓にいいお茶、肌
にいいお茶、よく眠れるお茶など、中国の茶文化
の奥深さを見せつけ、テンポよくお茶を飲ませて
くれるので、そのままお茶の販売タイムに移行す
ると、思わず買ってしまいます。

さあ、いよいよ明日は北京オリンピック開会式で
す。私たちは第一城の食堂に大型スクリーンを設
置して、オリンピック・オーケストラのみんなと
パブリックビューイングです♪




|熊|猫|ニ|ュ|ー|ス|
2008.8.8 五輪開幕!

「八」は日本でも末広がりで縁起のいい数字です
が、中国ではもっと大切にされています。北京オ
リンピックの開会式が8月8日午後8時にスタートす
るのも、中国の人たちの「八」という数字への思
い入れがあらわれています。

今回のツアーガイドの安さんも、8月8日に結婚さ
れたそうです(今日は結婚記念日なのに添乗なん
ですね!)。また、最近は8月8日(できれば8時)
に出産できるよう調整する妊婦さんも多いとか。
特に五輪開幕の今日が誕生日となる「オリンピッ
ク・ベイビー」はかなりの数になるのではないか
と予想されます。

さて、今日はまず故宮博物院の見学です。第一城
を出てバスで北京市内へ向かいますが、検問がい
つもより厳しい。自動小銃で武装した警官が見張
り、係官はバスに乗り込んで全員のパスポートを
チェックしました。

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北京の故宮博物院はもとの紫禁城。明および清王朝
時代には皇帝の住居および執務所として使われま
した。映画「西太后」「ラストエンペラー」など
の舞台としても有名です。


 余談ですが、故宮敷地内で8年間営業を許可され
 ていたコーヒーチェーン店スターバックスが、
 2007年7月、中国文化を損なうという理由で契約
 を解除されたんだそうです。


昼食後は、北京のメインストリート王府井(ワン
フーチン)でショッピング。オリンピック開幕当
日のせいか、五輪関連グッズを扱う店はたいへん
な人ごみ。人をかきわけながらの買い物です。

バスで第一城へ戻り、午後7時から大食堂で一堂に
会して北京ダックの夕食。壁面には大スクリーン
が設置され、今回のツアーのようすを編集したビ
デオ映像を鑑賞。今回の旅をパブリック・ビュー
イング振り返ります。

午後8時からはいよいよ北京オリンピック開会式。
この演出にはびっくりしました。私は2000年のシ
ドニー五輪開会式も、2001年北京ユニバーシアー
ド開会式も見ていますが、今回のものは群を抜い
てすばらしい。

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歴史の重み、ハイテクの鋭さ、そして人間の熱気
が融合しています。アイデアの豊かさ、そして全
体を統制するプロデュース能力。宮廷文化が長く
続いたエンタテイメント大国ならではの、スケー
ルの大きな、奥行きのある、そして緻密なショウ
でした。

さあ、明日はいよいよ最終日です。




|熊|猫|ニ|ュ|ー|ス|
2008.8.9 五輪パンダ

昨夜の五輪開会式を見て、いろんなことを考えま
した。中国の政治体制への批判は(意外かもしれ
ませんが)私にもあります。しかしそれはもっと
も表面的な次元の話。

この開会式から何を学ぶかという視点で見るなら
ば、自分自身の知恵や力の不足を謙虚に感じるこ
とができました。今の日本にはあのようなエネル
ギーはないだろうとも思いました。

さらに創造的に考えるなら、良くも悪くも破壊的
パワーを持つこの巨大な国と、隣人である私たち
は、あるいは国際社会はどう接していくのか。

中国に問題があるからそれを攻撃するのではなく
て、問題を世界で共有し解決するにはどうすれば
よいかに目を向けたい。問うべきは中国の姿勢で
はなく、私たち自身の姿勢だと思うからです。

今回の北京オリンピック・オーケストラに参加し
たムジカグラート氷見のあるメンバーがこんなこ
とを言ってました。


 「日本のニュースで見て、中国は怖くて不潔で
 危険な国だと思っていたけど、実際に来てみた
 ら日本と変わらなかった。空気はそんなに悪く
 ないし食事もおいしい。人もみんな親切です」


もちろん、中国に怖くて不潔で危険な側面がある
のは事実でしょう。しかしそれは、アメリカにも
あるいは日本にもある。ダークサイドのない文明
などあり得ないからです。

問題は、現地で感じる好印象と、日本の報道です
り込まれる悪印象とのギャップではないでしょう
か。その現実と乖離したイメージに対して憎悪を
募らせる人も少なくないかもしれませんし。

さて、私たちの中国滞在も今日が11日目。いよい
よ大詰めです。アメリカおよびオーストラリアの
グループは第一城をチェックアウトして、空路で
あるいは列車で上海へ向かいます。グアムと私た
ち日本はもう一日滞在して、明日帰国の途につき
ます。

まず、チェックアウトでごったがえす朝9時に、
ムジカグラート氷見はホテルの入口で、出発する
団体のお見送り演奏をしました。忙しい中、みん
な足をとめて演奏に聞き入ってくれました。

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つづいて北京動物園へ向かい、熊猫(パンダ)を
鑑賞。大地震のあった四川省から五輪用に北京へ
運ばれた8頭の「オリンピック・パンダ」が、この
6月後半にオープンしたばかりの大熊猫館でくつろ
いでいます。パンダのことをなぜ熊猫と呼ぶかと
いうと、鳴き声がミャオと猫のようだからなんだ
そうです。

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昼食の後、胡同(フートン)を訪問。胡同は北京
の旧城内を中心に点在する細い路地のこと。伝統
的家屋建築である「四合院」が多く、古き良き北
京の面影をしのばせます。自転車タクシー(輪タ
ク)での胡同めぐりが、新たな観光手段として注
目を浴びているとか。

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ところが、現地へ着いてみるとなんだか騒然とし
ています。じつは以下の事件が起きた直後だった
のです。


 米国人観光客殺害事件
 「鼓楼を見学中に襲われた」

 北京市内で米国人観光客ら3人が中国人の男に攻
 撃された事件で、9日付の中国網は「3人は北京
 市東城区にある観光名所の鼓楼を見学中に襲わ
 れた」と伝えた。

 警察の調べによると、殺傷事件を起こしたのは
 浙江省杭州市出身の唐永明容疑者(47)。唐容
 疑者は武器を持っており、鼓楼の2階にいた3人
 を次々と襲った。その後、唐容疑者は2階から飛
 び降りて自殺したという。

 五輪の開幕にあわせて北京市内は厳重な警備が
 行なわれており、大会会場などを多くの治安当
 局者がパトロールしている最中だった。


事件の現場となった「鼓楼」前にバスを停めて、
そこから輪タクで胡同めぐりをするつもりだった
のですが、警察によって現場一帯が封鎖されたた
め、私たちは別の場所から見学を始めました。し
かも交通規制のため、予約しておいた輪タクがそ
ろわず、いくつかの小グループに分かれて行動と
いうことになりました。

はからずも「怖い中国」の一面を身近に体験して
しまいました。胡同の町並みのゆったりとした時
の流れと対照的なできごとでした。

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このあとあらためて王府井(ワンフーチン)へ向
かい、2時間ほど自由行動。多くの女性はショッピ
ングに向かいました。少数派の男性陣はCDやDVDを
買ったり、路地裏の屋台街でサソリの揚げ物を食
したりして過ごしました。

こうして北京オリンピック・オーケストラは全行
程を終え、第一城に帰還。明日は午前4時半に出発
して、北京空港から日本へ戻ります。

みなさん、おつかれさまでした!

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投稿者 kurosaka : 2008年8月12日