世界は名前を待っている!
「元カレ・元カノ」という言葉は、そんなに歴史が
長くないですよね。
昔は、付き合う相手をそんなに頻繁に変えなかった
のか、あるいは以前に付き合っていた異性のことを、
あまり話題にしなかったのかな。 だから「元カレ・
元カノ」という言葉が必要なかったんでしょう。
ただ、「昔交際していた人」と「元カレ」とでは、
その人との関係や意識も微妙に違う気がします。
新しい「関係」に対して新しい名前が与えられた
ということでしょう。
私たちの社会は、いま、リネーム(rename=名づ
け直し)が求められていると思います。
これまでに与えられた名前たちでは、もはや世の中
をうまく表現しきれなくなっている。
政治も、経済も、医療も、教育も、エネルギーも、
通信も、芸術も、宗教も、友人関係も、家族関係も、
すべての分野において、名づけ直しが求められてい
るのではないでしょうか。
名づけ直しは位置づけ直し
リネームは、単なる言葉の置き換えではなく、その
「位置づけ」まで見直すこと。自分と対象物との「関
係の変化」をとらえ、その「新しい関係」に名前をつ
けることだと考えています。
月賦という言葉を「クレジット」と言い換えることで、
消費者の購買行動が変わったと聞いたことがあります。
改築はリフォームに、引っ越しはリハウスにと、名前
を変えればイメージが変わる。
それはおそらくモノや行為の「ポジショニング(位置
付け)」が変わるからなのでしょうね。
名無しの世界に生きている
古い言い方を新しく呼び換えるのも大切ですが、そも
そもこの世界には名前のついていないモノや概念が無
数にあると考えています。
タングマジック関連の専門用語は、それまでにも存在
していた現象、身体の部位、エクササイズなどを整理
し、位置づけ直し、新しく名前を与えたものです。
ビーエルティー、アイコ、相対シラブル、感動舌、外
柔芯剛、アップドラフト、ハイキック、ローキック、
マジックコイン、チャイルドタイム、ショルダリング、
ボトミング、地節、足節、底節...などなど。
用語辞典「悟楽(ごらく)」に載せた言葉のほとんど
は、リネームによって生まれた用語群です。
リネームすれば道は開ける
ジャズフォニック(Jazzphonic)もまた、新しい音楽
運動としてリネームされた概念。吹奏楽団、管弦楽団、
ロックバンドなど、あらゆる編成でジャズを本格的に
楽しむためのキーワード。それがジャズフォニックな
んだと思います。
このようなリネーム活動をみんながくり返すことで、
私たちは生き生きとした未来を作っていく可能性があ
ると考えるのですが、いかがでしょうか。