至上の愛をこめて
パート1:承認 Acknowledgement
岩波新書「ジャズの殉教者」でジョン・コルトレーンの
生涯を詳細に記述した藤岡靖洋氏が写真集を出版。題し
て「コルトレーンクロニクル〜写真でたどる生涯〜」。
前著をビジュアルに補足する貴重な資料です。
パート2:決意 Resolution
コルトレーンの生涯は、一人のジャズ演奏家の人生にと
どまらず、モダンジャズ(あるいは現代音楽)に大きな
影響を与えた巨人の足跡でもあります。
コルトレーンを追い求めて40年の世界的研究家・藤岡氏
の著述は、それ自体がジャズ史の一部であり、一級資料
としての価値を持つでしょう。
未発表カラー写真を含む200余点の秘蔵コレクションも
公開されています。オリジナルSP、EP、LPレコードは
もちろん、写真、雑誌、プログラム、チケットなど総数
2000点を超える写真を収録。それらは大阪ミナミにあ
る「コルトレーン・ハウス」で40年以上もの間、非公
開だったとか。
パート3:追求 Pursuance
「至上の愛 A Love Supreme」は、コルトレーンが神に
捧げた四部構成の組曲アルバム。カバラ(ユダヤ神秘主義
思想)の影響を受けたともいわれます。レギュラー・カル
テットによる濃厚な演奏はジャズ史に残る名盤中の名盤。
コルトレーンクロニクルのpp110-111には、至上の愛の
コルトレーン自筆楽譜が大きく掲載されています。
パート4:賛美 Psalm
本書は学術的資料価値が高いだけでなく、アート作品とし
てもたいへん美しく、見ていて楽しい。じつに完成度の高
い写真集に仕上がっています。
サックス奏者はもとより、すべてのジャズ関係者に自信を
持ってお勧めできる永久保存版です。藤岡さん、またして
も傑作をありがとうございました。
至上の愛をこめて、メリークリスマス!
投稿者 kurosaka : 2011年12月24日