A475メモ術
オリコウさんにアイデアなし!
アホナコになろう!
『A475メモ術』
アホナコシステムで情報が動き出す
著:黒坂洋介
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理想のアイデア管理法を求めて17年。試行錯誤の末にたどりついたアホナコシステムは、A4の紙を、A7に折りたたんで持ち歩き、A5で管理するという、きわめてシンプルな方法でした。合言葉は「ツールは最小限に、ユースは最大限に」。簡素な道具を徹底的に使いこなし、次々とアイデアを形に変えていくノウハウを公開。「発想を得る呼吸法」「閉転開の発想法」など、今日から使えるメソッドも紹介。デジタル万能時代にあえて提案するアナログなアプローチ。クリエイター、ビジネスマン必携の一冊です。学生にもお薦め。
はじめに より
ずいぶん長い旅でした。思いついたアイデアをノートに記録し始めたのが1996年。気がつけばそれから17年近い年月が経っていました。
最初は樋口健夫さんのアイデアマラソンにヒントをいただき、A5のルーズリーフノートから始まりました。その後スケジュール管理やTO DOリストとの融合を試みるうち、いろんな方法と出会い試行錯誤を繰り返すことになりました。
西村晃さんのA5手帳+付箋型ポストイット、福島哲司さんの能率手帳+ノート型ポストイットを使う方法にもずいぶんお世話になりました。奥野宣之さんのA6ノートにすべてを書き込む方法、野口悠紀雄さんの超整理手帳、糸井重里さんのほぼ日手帳、あるいは測量野帳を使った方法など、たくさんの考え方や方法と出会っては別れてきました。
どの方法も一長一短があり、私の生活スタイルとうまくマッチしなかったのです。私はアメリカに本社を置く国際音楽プロダクションの日本支部を運営していて、音楽イベントの企画制作がおもな仕事です。たくさんアイデアを出してそれを形にしていくことは、私の仕事にとって重要な要素です。
毎日の生活の中で、小さなアイデアの断片が無数に浮かんでは消えていきます。それらの中には、すぐ使うものもありますし、何年か後に使うものもあります。誰それにメールを送るというような具体的なものから、いつかこんなプロジェクトを立ち上げてみたいという漠然としたものまで、多種多様、種種雑多な情報です。
それらを可能な限りすくいあげ、保存し、実際に使えるようにするにはどうすればいいのか。アイデア管理と格闘する長い旅の過程で、私にとって以下の3つが重要な条件であることがわかってきました。
1.自由に発想を広げられること
→ 十分に大きな書き込みスペース
2.つねに持ち歩いてすぐに書き込めること
→ 小さい、軽い、薄いメモ
3.なんども読み返したり書き加えられること
→ 管理や再アクセスの簡便性
あきらかに「1」と「2」は矛盾します。「3」はその両者から影響を受けますし、どれくらいの時間軸で考えるかによって、シンプルなものから複雑なものまでさまざまな方法があり得ます。
この3つの条件のどれをどの程度優先するかによって、選ぶツールも採用するシステムも変わってくるわけです。その試行錯誤が17年間繰り返されてきたとも言えます。
そしてあるとき、ひらめいたのです。いままで試した方法や、読みあさった文献が頭の中でつながったのでしょうか。それは、
A4の紙を
A7で持ち歩き
A5で保存する
という仕組みでした。私は自他ともに認めるネーミング魔ですので、「A4」「A7」「A5」というサイズの数字を並べて、さっそくA475メモ術(またはA475システム)と名づけました。読み方は「アホナコ」です。
私がこれを思いついたのは2013年です。まったく突然に、自分のアイデアとしてひらめいたものでしたが、調べてみると前半部分の「A4の紙をA7で持ち歩き」と同じアイデアはすでに発表済みで、しかも商品化までされていました。アブラサス(abrAsus)さんというメーカーの「保存するメモ帳」です。
私は自分のオリジナリティや著作権を主張したいわけではありません。アブラサスさんのほうが先に発表され、ネットや雑誌で大きな話題になっていることを私が知らなかっただけですので、先行されている方へは敬意を表したいと思います。
ただ細かな点を見ていくと、「保存するメモ帳」とアホナコシステムはいくつか違いがあります。特に後半部分の「A5で保存する」がまったく違います。この部分は明和電機の土佐社長がネットで発表しておられる「はってはがせるノート術」を参考にさせていただいています。じつは、この「A5サイズで読みなおし書き加える」というプロセス(アイデアファームといいます)こそがアホナコシステムの心臓部なのです。
いずれにしても、アホナコシステムを開発したおかげで、私のアイデア管理法を模索する旅は終わりました。これが私にとっては(おそらく)最終形です。その内容を本書で説明しようと思います。
なお、これは私の仕事や生活スタイルに合わせて作ったメモ術ですので、あなたにとって使いやすいかどうかはわかりません。「アホな子」が思いついたひとつのアイデアが、部分的にでもあなたの参考になれば幸いです。
黒坂洋介
【著者について】
合奏音楽のための国際プロダクション「ワールド・プロジェクト・ジャパン」代表。シドニー五輪や北京五輪の国際選抜楽団企画を手がけるほか、青少年の国際交流イベントに多くの実績を持つ。
小中高生および大学バンドのためのジャズ教育イベント「ステラジャム(国際ジュニアジャズオーケストラ・フェスティバル)」や金管講習会「ハイノート入門セミナー」をプロデュース。
また、グラミー賞アーティストたちから推薦を得た音楽家向け身体開発法「エアケア-水の呼吸-」の指導や普及にも力を入れる。
著書に「エアケア-呼吸の教え方-」「呼吸を変えれば音楽は変わる!」「CHANGE YOUR BREATH TO CHANGE YOUR SOUND !(書籍/iPhone app)」「カラダとココロと音楽と」「空気読むより空気を変えて」「パジャマで出かける呼吸旅行」「断定と批判のラプソディ」「快眠☆ねこ気功(ブックCD)」などがある。
また金管指導者・杉山正氏の著書として「フレックス・タング・ビルド」「ハイ・エア・ビルド」「ナチュラルアンブシュア52週間」「スーパーロングトーン」「スムーズタンギング」など多数の教則本をプロデュース。
アレクサンダーテクニーク講師バジル・クリッツァー氏の著書として「吹奏楽指導者が心がけたい9つのこと」「管楽器がうまくなるメンタルガイドブック」を刊行。
謎の作詞家ユニット・二重らせん刹水の詩集「ケモノウタ百八首」、音楽デュオ・蓬-よもぎ-のSong Zooアルバム「アリクイは三万回のキスをする」、「マイバースデーソング」企画などを制作指揮。
これらの多種多様なアイデアを生み出すアホナコシステムを初公開したのが本書「A475メモ術」である。A4に書きたい、A7で持ちたい、A5で読みたいという無理な願望をスッキリ解決。
谷山谷ルール、三角印ルール、51%ルール、伸縮自在ルール、不完全ルール、図解ルール、色鉛筆ルールなど、ユニークなメモ術の数々を紹介。アホナコシステムを考案したことで、著者のアイデア脳はさらに活性化しているとかいないとか。
投稿者 kurosaka : 2013年7月26日