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呼吸学校〜習得の10ステップ〜

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呼吸学校: 習得の10ステップ
著:黒坂洋介
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【著者による前書き】

呼吸法を実践・研究し始めてから、かれこれ30年になろうとしている。

この間、道場、講習会、書籍、ネット文献、ビデオ、DVDなどでさまざまな情報と接してきた。またSNS上の議論やオフラインの勉強会を何度も開催した。

小学校、中学校、高校、大学、社会人研修会など、数多くのワークショップにおいても指導の機会をいただいた。

著書は「呼吸を変えれば音楽は変わる」「ひとりで呼吸法ばかりやってきた」「ねこ気功」「一秒瞑想」を上梓している。

それらはおもに音楽家、それも管楽器奏者を読者と想定している。上記のセミナー類も音楽家向けのものが多かった。

2018年に端唄・根岸流本部のご協力を得て、東京神保町で「呼吸学校」を継続的に開催することとなった。その結果、受講者層の幅が大きく広がった。

管楽器奏者のみならず、声楽、ボーカル、邦楽、オカリナ、篠笛、パントマイム、コーチング、ヨガ、ベリーダンスなど、さまざまな分野の方がお越しになる。

さらに、薬剤師や治療家をはじめ健康に関心が高い方も増えてきた。音楽家だけでなく、より広い層に向けて情報発信すべき段階が来たと感じている。

そこで本書はまず第一に、神保町「呼吸学校」でご紹介している基本メソッドを整理し、一般的な呼吸法学習の入門書となることを企図した。呼吸学校受講者が復習に使えるようにも配慮している。

第二に、呼吸法で体験する奥深く豊かな世界を、読者にも共有していただくことをめざしている。呼吸という身体運動の機械的な側面、つまり骨格、筋肉、内臓のコントロールという範囲を超えて、感覚の変化、心理的影響、視点の移動など、呼吸の内面的役割についても言及することとした。

第三は、長期にわたって呼吸法を訓練するうちにどんな景色と出会うか、つまり上達の方向性についても触れている。あくまでも私個人の体験的記述ではあるが、呼吸法を続ける上での目安や励みになるだろう。

そして第四に、なによりわかりやすい読み物であることを心がけた。そのためフィクション形式を採用している。登場人物は2名。風来末先生という呼吸法指導者と、ポンポコナーちゃんという女子生徒である。この2人の対話によって、呼吸法の理論、方法、応用、可能性などが語られる。



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投稿者 kurosaka : 2019年6月12日