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自律訓練法

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1932年、ベルリン大学教授J・H・シュルツが自律訓練法を開発した。「重たい」「温かい」という2つの感覚を自己暗示によって作り出すことで、自分自身を催眠状態へ導く。

最終的にシュルツは6つの暗示を用いる体系にまとめあげる。その成果は「自律訓練法」として発表された。

基本公式
「気持ちが落ち着いている」

第一公式(腕と脚の重感)
「腕と脚が重たい」
筋肉が弛緩してダラーンとした状態を作り出す。それによって心身をリラックスさせる。利き腕から始めて、反対の腕、両腕、利き足、反対の脚、両脚と続けて暗示を行なう。最後に「両腕と両脚が重たい」と暗示。一つの暗示を何度も繰り返す。

第二公式(腕と脚の温感)
「腕と脚が温かい」
末梢血管を拡張させ、血液循環を促進する。それによって一層心身がリラックスする。

第三公式(心臓調整)
「心臓が静かに規則正しく打っている」
心臓の拍動をおだやかにし、安静感を作り出す。

第四公式(呼吸調整)
「呼吸が楽だ」
呼吸をおだやかにし、より深い休息が得られるようにする。

第五公式(腹部温感)
「胃(おなか、太陽神経叢)が温かい」
自律神経に働きかけ、内臓の働きを調整する。

第六公式(額部涼感)
「額が涼しい」
額を涼しくして頭寒足熱の状態を作り出し、頭の働きを調整する。




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臨床家のための自律訓練法実践マニュアル──効果をあげるための正しい使い方
福山 嘉綱 (著), 自律訓練法研究会 (著), 中島 節夫 (監修)
https://amzn.to/3IAWJDb


精神医学や心理療法,心療内科などでよく利用され,効果の高いテクニックとして知られる「自律訓練法」。臨床家が自律訓練法を患者・クライエントに指導するときに必要となる基礎からコツ,真髄までをじっくりと教授したのが,この本です。

自律訓練法は,だれでも習得できるリラクセイション法で,リラックスを促し,眠れたり,緊張をほぐしたりといった健康問題や不安や抑うつなどの心の不調以外にも,心身症や精神疾患などにも利用可能な技術なっています。しかし,古くからある手技でかつ簡単に見えるため,キチンと理解されないままに臨床の場で使われることも多くあります。

そこで,自律訓練法を得意とする臨床心理士 福山先生に,その経験をもとに自律訓練法のテクニックや,症状ごとの適用,禁忌など,そのメソッドを余すことなく描いてもらったのがこの本です。臨床家にとって必読の手引きとなりました。



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自律訓練法の実際:心身の健康のために
佐々木 雄二 (著)
https://amzn.to/48YH8YA

心身のセルフコントロールを保つための
科学的訓練法である自律訓練法の行ない方を
初歩から高度な段階まで、懇切平易に説明。


◎序文より
現代生活がきびしくなるにつれて、現代人の健康にたいする関心は、一しお強まってきたようである。さまざまな角度からする〇〇健康法といった本が、次々にベストセラーになりつつあるのも、健康への道を模索しようとする、市民の切なる願いによるものであろう。
(略)
巷に氾濫する多彩な健康法にあるような食生活一般の改善、特殊食品による食療法、〇〇体操などには、それぞれに、現代医学の盲点を補う利点があることと思われる。しかし、何よりもまず、心身両面でのストレスに対する自衛手段を身につけていることが、現代生活をたくましく生きてゆく上で、不可欠な条件となってきている。

すなわち、現代生活のストレスをふんわりと受けとめ、激動する生活の流れの中で、心身のセルフコントロールを失わない自己訓練の方法を会得しておくことが、保健と健康増進の第一課といえよう。病気も、事業の失敗も、家庭、社会生活でのトラブルも、つまるところ、各人がセルフコントロールを失うために起こる不幸の種々であることが、現代の進歩した心身医学によって、いよいよ明らかにされつつある。

「健康な精神は、健全なる身体に宿る」といわれるが、「健康な身体は健全な精神に宿る」ということもまた真実である。そこで、健康の問題は、常に心身一如の立場から考えるべきものであり、心身医学は、ノイローゼと心身症だけを扱う特殊な医学ではなく、現代病一般の医学でなければならず、さらには、医学の本来あるべき姿を示すものなのである。

自律訓練法は、精神分析と並んで心身医学的療法の代表的な方法として、ベルリン大学のシュルツ教授によって開発されたものである。これは、ヨーガの真髄をうまくつかみ、心身両面でのひずみを自己調整する科学的な方法として、体系づけられたものである。

従って、病人にたいする治療法としてだけでなく、万人が健康なセルフコントロールをふまえて、自己実現に向かうためのすぐれた方法となっている。上記のような現代人の健康問題を背景に、近年、欧米諸国はもとより、わが国でも、本法が急速に一般化しつつあるのも、このためである。


◎目次
第1章 自律訓練法を学ぶ前に―ストレスと緊張―
第2章 自律訓練法とはなにか―催眠法から自律訓練法へ―
第3章 自律訓練法を始める前に―標準練習のための準備―
第4章 自律訓練法の基本的練習―重感練習と温感練習―
第5章 標準練習の進展―内臓のはたらきの調整

第6章 自律訓練法の練習経過―I氏とSさんの場合―
第7章 自律訓練法を基盤にした治療―気管支喘息 Aさんの場合―
第8章 黙想練習―イメージ誘導の自己訓練―
第9章 特殊練習―からだへの公式とこころへの公式―
第10章 自律訓練法と発散―自律性除反応について―

第11章 自律訓練法の周辺―催眠・自己暗示・座禅―




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DVD版 自律訓練法の実際
佐々木 雄二 (監修)
https://amzn.to/3TBoVMs

ストレスをとり除く心身健康法

ドイツの精神科医シュルツの開発した、
暗示により心身をリラックスさせる自律訓練法。
モデルを実際に指導しながら、
心臓調整練習を除くすべての標準練習を解説していく。
書物ではわかりにくい姿勢の取り方のポイントなどをわかりやすく紹介。
この訓練法の習得により、疲労回復、イライラ解消、集中力、
内省力、自己統制力の増加、能率アップなどの効果が見込まれる。
1985年発売『VHS版 自律訓練法の実際』のデジタルリマスターDVD版。


〈目次〉
Chapter1 オープニング
Chapter2 練習前の準備
Chapter3 背景公式
Chapter4 四肢重感練習
Chapter5 消去動作
Chapter6 四肢温感練習
Chapter7 呼吸調整の練習
Chapter8 腹部温感練習
Chapter9 額部涼感練習
Chapter10 自律訓練法の効果
(収録時間約30分)

投稿者 kurosaka : 2005年3月 9日