FTBの感動的な効果
女性トロンボーン奏者(Xさん)から、長文のメッセージをいただきました。
A4用紙2枚分ほどもあろうかという力作。
ご本人が匿名を希望されたので、個人を特定できないよう編集して公開いた
します。これを読んで、私(黒坂)まで感動してしまいました。
Xさん、ありがとうございました。
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こんばんは。突然のメール、失礼します。私はある社会人吹奏楽に所属しているトロンボーン吹きです。十数年ぶりに楽器を再開して3年ほどになります。
実は、FTBを購入して、すごくすごく感動しているのでメールさせてもらいました。私の勝手な感想ですが、お礼も言いたくて...。
再び楽器を手にし目も楽譜に慣れてきた頃、中学のときに苦手だったことが今でもやっぱり苦手なことに気づきました。
そしてそれを乗り越えることが出来ず、中学時代の繰り返しをしていることにショックを受けました。
基礎練習といっても、中学の頃にやってたことと同じで、やっぱりロングトーン、リップスラー、タンギングの練習。毎日こなしてたメニューを思い出しながらなぞってみても「壁」は時を越えて目の前にあらわれます。
そんな時、幸いにも私が目指したいと思えるような奏者と出会いがあり、教えてもらえることになりました。
その方に「基礎練習」というものを教わりました。ロングトーンの練習とは何なのか、など、私なりにですが目からウロコの大発見でした。
私だけではないと思います。ノルマのようにロングトーンをひたすらやる、ロングトーンさえ続ければいつかは上手くなると思ってる、そんな学生時代を過ごした人は多いでしょう。
ロングトーンも、目的や着目点を持って、感じながらやるとすごく楽しいものになることに、今さらながら気づきました。
基礎練習の意味を知ってからは、それがとても楽しいものになりました。楽譜の練習よりも基礎練習が楽しい。学生の時は考えられなかったことです。
でも、やがて「壁」が立ちはだかります。
先生のようにリップスラーができない、ロートーンが出せない、マウスピースを押し付けるクセは抜けない、だからやっぱり音が硬い。響きがない。
あんなに楽しかった基礎練習ですが、はたしてこのままこのやり方で続けてもいいのだろうか、という疑問でいっぱいになりました。
そんなとき、FTBを購入し読ませていただきました。ちょっと見るとリップスラーの練習に見えますが、ページを追って姿勢~呼吸からトライしました。
そしてレッスン1。
なんと!
いままで上手く出来なかったリップスラーが出来る!(タングスラーだからですよね)
楽器にしっかり息が吹き込まれたように音が鳴る!
8拍のばせなかったロングトーンが、ブレがあまりなくしっかり最後までのばせる! 吹ける!
レッスン1をやって、それから先生に習った基礎練習をやりました。びっくりです。いろんな調の音階が前日よりは明らかにスムーズにできる!
音の上がり、下がりがスムーズで、息もしっかり入るから音が変わって。楽しくて嬉しくて吹き続けてました。
ふと気がつきました。
全然唇が疲れない、・・・バテてない! マウスピースも、前日までとは明らかに違ってて、全然押し付けていない! これは驚きです!
これまでマウスピースを押し付けてしまうクセがどうしても取れなかった。疲れると押し付け気味になるし、高音になるほど押し付ける傾向に。
先生はものすごくスムーズでブレないリップスラーをやります。細かいのも高速のもすごくキレイ、同じ大きさのマウスピースですか、と思うくらい。でも全然唇に跡がつかないしバテない。
「全然唇には力を入れないよ、おなかで吹くんだよ」
そういいますが、私は理解できていませんでした。でも、唇でやろうとするからできないんだ! と初めてわかりました。
呼吸の仕方や体への意識の置き方は、ウォーキングで勉強したことがあります。芯を通す、地球の芯とつながってる感じ、まっすぐに、でもしなやかな芯がある。それを思い出すことが出来ました。私はそれがまず嬉しくて!
先生は歌もされてます。やはり同じような姿勢、体と意識の置き方、息の入れ方出し方を言われます。
FTBで読みながらやってみて、ほんとに嬉しくなりました。そして楽器を構えて吹いてみると「息が入った」のですごく驚きました。前日とはまったく違う音色、やわらかく響きのある音が出たのです!
私なりに理想とする音に初めて一歩近づけた、と嬉しくなったのです。本当に驚きました。
呼吸が浅い、息が入らない、楽器が鳴らせない、体の芯がなくて不安定で、あちこちに力がはいって音まで硬い。それでも吹こうとするからマウスピースを押し付けてしまって。だから、いい音が出ない、吹けない、楽器を吹いてても楽しさを忘れてしまうくらい落ち込む...。
それらが一気に解消されるのです!
ほんのちょと、試してみただけで「これだ!」と思ったのです。エクササイズとして続けていけば、絶対に吹けるようになるだろう、と先が見える気がします。
ほんとにこれでいいの?と悩みながらやる練習とはまったく違います。これをやればいい!と思えたのです。
私にとって本当に感動的な出来事でした。そして、私の先生はきっとこれをやっている。無意識のうちに舌を鍛えられ、舌を使った奏法なんだと思う。
だから先生は唇のことは考えてないし、実際にバテない。体に芯を通して安定させたら上半身は力を抜くことを、無意識に実践している人なんだろうなと思いました。先生の上手さが、私との違いが、コレなんだ、と思いました。
私が抱えていたマイナス面、超えられないと思っていたことが、ほんのちょっとの時間でガラっと世界が変わったのです! 本当に嬉しくて、感動して。
毎日少しずつ、呼吸とともに実践していこうと思います。ありがとうございます!
学生時代に、部活としてやってる頃に、こんなに楽しい基礎練習ができたなら、今までかけてきた時間をほかに当てられたし、もっともっと学生の世界は広がるだろうと思います。
姿勢、呼吸、これこそ楽器を吹かなくなっても一生を通しての財産になると思います。
2週間後が楽しみ、1年後が楽しみ。私自身がどう変わるかで効果を実感していきたいと思います。
一つ残念だったのが、楽器店で購入して家に帰って確認してみたらヘ音バージョンがあるとのこと。私はト音を買ってしまいました...。またお金の都合をつけてヘ音を購入します。
本当にありがとうございます。感動を伝えたくて。
投稿者 kurosaka : 2014年2月22日