スランプへの処方箋
監修:杉山 正
不調の原因は何でしょうか?
金管練習をしていると、どうしようもない不調に
襲われることがあります。高音が出ない、音色が
よくない、唇が振動しない、フレーズがなめらか
に吹けない...などなど。
ちょっとした好不調の波であれば通常のルーティ
ンワークを練習すればよいのですが、絶不調とな
るとそうも言っていられません。
不調はさまざまな原因が考えられます。ナチュラ
ル・ブラス・スタディ(タングマジック)では、
いかなる不調の場合も、まず以下の二点から原因
をチェックします。すなわち
1.エア(呼吸)
2.タング(舌)
です。不調の多くはこの二点を解決することで、
ぐっと出口に近づくと思われるのです。
あくまでもひとつの例とお考えいただければよい
のですが、どうしようもない不調に陥ったとき、
たとえば以下のようなアプローチをとってみては
いかがでしょうか。
1.今日はふだんの練習を休んで以下の調整法に
取り組みます。
2.「スムーズタンギング」レッスン2のモデル12
を使います。
3.テンポはゆっくり(BPM60くらい)、音量は
mpくらいで、リピートはしません。
4.舌の移動と指使い(ポジション)をジャスト
ミートさせるよう注意しましょう。
5.エアが気持ちよく管の中を通っていくことを
イメージしながら、ウインドコントロールに
意識を集中して行ないます。
6.唇に力を入れないこと。パッカーを意識して
リムに唇をあずけるつもりでリラックスして
行なってください。
7.音色や身体の状態を注意深く観察します。
ひとつ留意点があります。この方法は、楽器や
マウスピースがタイトすぎてエアがスムーズに
通らない場合、効果が半減してしまいます。マ
ウスピースのカップが「ダム状態」となると、
かえって身体を傷めてしまうからです。
調子が回復するまで、根気よくこの調整を試み
てください。
スムーズタンギング ト音
http://goo.gl/nAsqXV
スムーズタンギング ヘ音
http://goo.gl/LR3STC