アサコ(浅い呼吸の練習)
浅い呼吸を探求してみる
アサコは、肺活量の10%程度の空気を出し入れする浅い呼吸の練習である。ポイントは残気量を変えながら行なうこと。
肺が空っぽに近い状態で、つまり残気量0%~10%というところで浅い呼吸をしてみたり、逆に残気量100%~90%のあたりで空気の出し入れをしたりするものだ。
たいへんな集中力とコントロール能力が求められる呼吸法である。この練習をくり返すと、静かで凛とした気分になるので「清楚なアサコ」と呼んでいる。
一般に呼吸は深ければ深いほどよいと考えられているのではないか。しかし大切なのは、やみくもに量を増やすことではなく、呼吸をコントロールすること。
自分の肺の全領域を開発するというのは、「たくさん吸ってたくさん吐く」のではなく、どの領域でも上手に呼吸できるようになることだと考えている。
アサコでは一回の換気量(空気の出入りする量)を変えないで、肺の使い方を変えていく。まずは残気30%くらいまで吐いて、40%くらいまで戻す。これがミヨミヨだ。
以下、ニミニミ(20%-30%)、イニイニ(10%-20%)と続く。実践しながら、それぞれに身体の使い方が異なることを確認していただきたい。
次に残気量を増やした領域でトライする。ロゴロゴ(60%-50%)から始まって、ナロナロ(70%-60%)、ヤナヤナ(80%-70%)...と練習していく。いずれも呼吸筋群の使い方が異なる。
実践してみればわかるが、このように呼吸を繊細にコントロールするためには、高い観察力や集中力が求められる。
したがってアサコを練習することで、呼吸にかかわる筋肉群の感知能力と制御能力を高めていくことができるわけである。
アサコは条件を厳しくすることで中級のトレーニングをデザインすることができる。たとえば換気量を20%に変える、あるいは5%に減らす。
また、換気時間を吸気4拍・呼気4拍に増やす、あるいは吸気1拍・呼気1拍に減らすなど、無数のバリエーションが考えられる。
参考資料:
アサコ・フカコ・ナガコ
アサコ(浅い呼吸の練習)
フカコ(深い呼吸の練習)
ナガコ(長い呼吸の練習)