虫の視点と鳥の視点
視点を四つに分類する
1.ボート虫
ひとつの価値体系の部内者視点
2.岸辺虫
別の価値体系から見る部外者視点
3.モノ鳥
上空から個々の要素を俯瞰する分析視点
4.物語鳥
上空から個々の要素の関係を考える統合的視点
下記電子書籍でくわしく解説しています。
鳥を見た: 4つの視点で呼吸を読み解く
黒坂洋介 (著)
https://amzn.to/3P8XdDV
たとえば腹式呼吸。これを推奨する指導者があれば、批判する流派もある。そしてお互いの議論はどこまでも平行線で、交わることがない。
どうしてこんなことが起きるのか。それは「見ているところが違うから」である。さらには「見方が違うから」でもある。
腹式呼吸の推進派と批判派は、どちらかが正しくてどちらかが間違っているわけではない。いずれも自分がスポットを当てている部分については、なんらかの「正しい」主張をしている。けれども、相手がどこに着目しているかに無関心なのだ。
たとえば円錐形を上から見れば円形に見える。同じ立体を横から見れば三角形に見える。円錐よりもさらに複雑な構造物であれば、観察する立ち位置次第で、その形は千変万化するだろう。
実際、呼吸は私たちがふつうに思うよりはるかに複雑で大きな身体運動である。重力、骨格、筋肉、内臓、体液、神経、細胞内器官、化学反応、心理状態など、多層に渡って影響を及ぼし合う、きわめて精緻で大規模な現象なのである。
したがって、どの部分に注目するかによって、見える景色はまったく異なる。単純な「正解」はないと言ってよい。
本書では、視点の起き方を4種類に分けて、誤解が生じる原因とその解消法について提言する。
例によってわかりやすい読み物とするべく、対談スタイルのフィクション形式を採用した。水の呼吸シリーズでおなじみの、風来末先生とパイポくんに登場してもらう。
呼吸法のみならず、学習一般のヒントになれば幸いである。
投稿者 kurosaka : 2024年3月 9日