呼吸のテーマを「プロジェクション」にしぼると
2017年1月28日、明治大学駿河台キャンパスにおいて「呼吸を変えれば音楽は変わるセミナー」を開催。対象は明治大学Big Sounds Society Orchestra(通称BS)のレギュラー&ジュニアのメンバー40数名です。
まとまった楽団に対するワークショップは最近あまりやっていませんし、相手は日本を代表する学生ビッグバンド。こちらも集中力をマックスまで高めてのぞみました。
午後4時から8時までの4時間。重力と骨格の関係、呼吸と筋肉の関係、脱力の仕方、姿勢の整え方、呼吸のメカニズム、各種の呼吸法などを実習。講義と実践、討論と発表、アカデミズムとジョークなどを織り交ぜながら、巨大で複雑な呼吸の世界を体験してもらいました。
一般向けセミナーと違って、今回の参加者には「合奏技術の向上」という共通の目的があります。そこでテーマを「プロジェクション」に絞り、すべての内容をプロジェクション技術を高めるためのものとして再編しました。
プロジェクションとは、投射、発射、放射、射影、投影など、ようするに「飛び出す」ということを意味します。バンドのサウンドをステージから客席まで速く、美しく、豊かに、確実に届けるための基礎技法がプロジェクション。それを実現するために楽団員はどのように身体を使うか、呼吸を使うかという視点でセミナーをまとめてみたのです。
実際、一流プレイヤーの演奏を生で聞くと、管楽器はもとより、ドラム、ベース、ピアノ、ギターなども音のスピードがきわめて速く、サウンドが聴く者までダイレクトに届くと感じる場合があります。したがってリズム隊も、何を意識しながらどのような身体操作をすればプロジェクションが高まるのかを考えながら、個々のワークへ取り組むことになります。
この情報を共有する仲間が増えてみんなの呼吸が変わったとき、音楽がどのように変わるか楽しみです。
投稿者 kurosaka : 2017年1月28日