ポッドキャストで耳から「水に学ぶ呼吸学校」
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YouTube ヒトゴ(ひとりの5分間)by 三浦志保先生
INDEX
Podcastを聞こう!
第1〜6回(基本六教)
チャイルドタイム/ショルダリング/フィッシュスイム/ボトミング/ヒフミフヒ/SOシフト
第7〜11回
外柔芯剛/マジックコイン/強く短く深い呼吸/弱く長く浅い呼吸/三つの凪
第12〜16回
キメラダンス/守破離(1)利休と不白/守破離(2)飛行機のたとえ/守破離(3)呼吸のたとえ/ガティング
第17〜21回
鳥を見た(1)ボートと岸辺/鳥を見た(2)モノと物語/鳥を見た(3)シンボルと体験/くらげ呼吸法(1)用語編/くらげ呼吸法(2)実習編
第22〜25回
閉吸開呼(1)ゼロワン/閉吸開呼(2)ゼロスリー/閉吸開呼(3)ハグ&リリース/トマト呼吸法
第26〜29回
四つの腹式呼吸/月と指/同調圧力を受け流す/天地を貫く芯
第30〜32回
ヒフミフヒ上級/あべこべの世界/白紙委任の海
第33〜36回
水の眠り/入地入天/体内テーマパーク/練習にストーリーを
第37〜40回
場意識と像意識/無風状態/外垂芯吊/ステイト変換
第41〜43回
ボトミング上級/強く深い呼吸MOT/アクターとウォッチャー
第44〜47回
肋骨でバタフライ/フロッグとピーコック/歩き方(1)ニュースペーパー/歩き方(2)キトロ
第48〜50回
呼吸の無常性/ルールを捨てる/矛盾を超えて
第51〜53回
リネーム(1)トレーニング用語/リネーム(2)意味を買う/リネーム(3)世界をカスタマイズする
基本六教
以下の6項目は、水に学ぶ呼吸学校の基本ワークです。第7回以降の配信は、基本六教をご存知の方を対象としていますので、最初に第1〜6回配信をお聞きください。
第1回「チャイルドタイム」
「水に学ぶ呼吸学校」の基本であり到達点でもあるのがチャイルドタイム。テキスト 『水と呼吸の王国〜身体はテーマパーク〜』 をひもときながら、チャイルドタイムについて解説し、呼吸トレーニングの全体像をご紹介します。
第2回「ショルダリング」
「水に学ぶ呼吸学校」基本ワークのひとつがショルダリング。肩の上げ下ろしによって首から肩の脱力を進めます。身体がほぐれ、気持ちも落ち着いてくる。その結果、チャイルドタイムの質が向上します。参考書籍は 『ウォームアップ〜呼吸法にできる5つのこと〜』。
第3回「フィッシュスイム」
「水に学ぶ呼吸学校」基本ワークのひとつがフィッシュスイム。背骨をゆっくりときめ細かく、左右に動かします。魚が泳ぐような運動で、背骨に付着した呼吸筋や肋骨がほぐれていきます。そして知らず知らず呼吸が深くなっているのに気づきます。参考書籍は 『キメラダンス〜呼吸を操作しない呼吸法〜』。
第4回「ボトミング」
胴体「底」の筋肉群を操作する、いわば底式呼吸がボトミング。ヨーガ、座禅、気功にも見られる伝統的な身体操作です。腹圧をコントロールしたり、身体に芯を通すための重要なトレーニングです。呼吸法と合わせて練習するやり方をご紹介します。参考書籍は 『底式呼吸〜骨盤底に眠る獅子〜』。
第5回「ヒフミフヒ」
呼吸学校の基本呼吸法が「ヒフミフヒ」です。呼吸の長さを1小節(4拍)から2小節(8拍)、3小節(12拍)と伸ばしていき、そこからまた2小節、1小節と短くします。身体への負荷が小さくて、初心者にも取り組みやすい方法です。このシンプルな呼吸法に注意項目を追加することで、どんどん高度なメソッドになっていきます。参考書籍は 『ヒフミフヒ〜呼吸法の初級から上級へ〜』。
第6回「SOシフト」
スポーツの世界で集中力が極限まで高まったとき、周囲の景色や音が意識から消えるといいます。これは「ゾーンに入る」と呼ばれます。武術、芸術、宗教行法、あるいは呼吸法においても、この種の体験に至ることがあります。とかく神秘化されがちなこの現象を、ここでは「主客転倒が起きている」と考え、これをSOシフトと呼びます。主客が転倒したちょっと不思議な呼吸世界について解説します。参考書籍は 『主客転倒〜呼吸が根底から変わる〜』。
第7回「外柔芯剛」
呼吸法を支える立ち方の基本が外柔芯剛(がいじゅうしんごう)です。体表面の力をなるべく抜いて、中心部の筋肉に入力します。この立ち方が呼吸筋を育てると同時に、深い呼吸を阻害している自身のブロックを解除。さらに外柔芯剛は、心理面にも大きな影響を及ぼしていることを解説します。参考書籍は 『十二節〜同調圧力を受け流す呼吸法〜』。
第8回「マジックコイン」
両足を閉じて直立。床の上に1枚の硬貨が置いてあるとイメージし、これを「マジックコイン」と呼びます。マジックコインを両足で踏みましょう。踏む位置は両方の内くるぶしの真下。かなりカカト寄りの位置です。床上にある想像上のマジックコインに全体重を預けるように立つこのトレーニングは、重心線を感知する能力を高め、呼吸法に適した姿勢をつくります。参考書籍は 『重力の滝に打たれて〜呼吸が深まる立ち方〜』。
第9回「強く短く深い呼吸」
ひとつの試みとして、呼吸法を大きく2種に分類してみました。「強く短く深い呼吸」と「弱く長く浅い呼吸」です。前者はおもに呼吸能力向上を目的とする、どちらかといえばフィジカルで動的な呼吸法です。後者は意識操作に役立つ、メンタルで静的な呼吸法となります。今回は強く短く深い呼吸について解説します。参考書籍は 『罪深き恋の呼吸法〜つよく・みじかく・ふかく〜』。
第10回「弱く長く浅い呼吸」
前回の「強く短く深い呼吸」と対になるのが「弱く長く浅い呼吸」です。前者はおもに呼吸能力向上を目的とする、どちらかといえばフィジカルで動的な呼吸法です。後者は意識操作に役立つ、メンタルで静的な呼吸法となります。今回は弱く長く浅い呼吸について解説します。参考書籍は 前回同様『罪深き恋の呼吸法〜つよく・みじかく・ふかく〜』です。
第11回「三つの凪」
ノドを開けたまま息を止めることを「凪」と呼びます。肺に空気がいっぱいの状態で凪をキープするのが「みちなぎ」、肺が空っぽの状態の凪が「からなぎ」、外気圧と肺内の気圧がほぼ同じ状態の凪が「ひらなぎ」です。呼吸法においてきわめて重要な、息の止め方について解説します。参考書籍は 前回同様『罪深き恋の呼吸法〜つよく・みじかく・ふかく〜』です。
第12回「キメラダンス」
背骨を4つの方向へ動かし、呼吸筋群を開発する方法です。左右方向はフィッシュスイム、前後はキャットラン、回転はドラゴンツイスト、上下伸縮はカンガルーパイル。それらのうち2種、3種、あるいは4種を混ぜた複雑な動きがキメラダンスです。ゆったりと背骨を動かしているうちに、呼吸は自然と深まってゆきます。参考書籍は『キメラダンス〜呼吸を操作しない呼吸法〜』です。
第13回「守破離(1)利休と不白」
呼吸法はたいへんに流派性が強いものです。それぞれみずからが正当な呼吸法であると主張し、相互に争い合っています。これは呼吸が複雑で大きな身体運動であり、どの部分に着目するかによって、まったく違う景色が見えるためです。ここでは「守破離」という伝統的なアプローチを参考にしながら、呼吸法の学び方を模索します。参考書籍は『守破離〜学習の進化論〜』です。
第14回「守破離(2)飛行機のたとえ」
学習プロセスにおいて「守」「破」「離」は、時間的にどのくらいの配分でしょうか。もちろん分野によって違うはずですし、個人差も大きいでしょう。しかしたとえば「1:1:1」か、それとも「20:1:40」のような比率にもなり得るのか。ここでは飛行機を比喩に使って考えてみます。参考書籍は『守破離〜学習の進化論〜』です。
第15回「守破離(3)呼吸のたとえ」
前回は、守・破・離を飛行機の「滑走・浮上・飛行」にたとえて説明しました。今回は呼吸を比喩として使います。これによって「離破守」という思いもよらぬ学習プロセスがあきらかになります。さらに大の守破離、中の守破離、小の守破離という発想が登場。現代的な守破離の誕生です。参考書籍は『守破離〜学習の進化論〜』。
第16回「ガティング」
ガティングは、ガット(腸、内臓)に強い刺激を与える呼吸法です。通常は闘気を高めたり、エネルギーをチャージしたいときに用います。やる気が出ないときや弱気になっている場面において、心身の熱量を増す効果が期待できます。エイ、エイ、オーという鬨(とき)の声や、マオリ族のハカ(ウォークライ)、ゴスペル歌唱などにも通じるものです。参考書籍は『ガティング〜不安が消えてゆく呼吸法〜』。
第17回「鳥を見た(1)ボートと岸辺」
腹式呼吸を推奨する指導者があれば、批判する流派もあります。お互いの議論はどこまでも平行線で交わらない。どうしてこんなことが起きるのでしょうか。それは見ているところが違うから、そして見方が違うからでしょう。ここでは視点の置き方を4種類に分けて考えます。今回はそのうち2つについて解説します。参考書籍は『鳥を見た〜4つの視点で呼吸を読み解く〜』。
第18回「鳥を見た(2)モノと物語」
物事の認識方法は、大きく「虫の視点」と「鳥の視点」に分けることができます。前回は虫の視点を「ボート虫」と「岸辺虫」に分けて解説しました。今回は鳥の視点についてお話しします。要素を個別に分析する「モノ鳥の視点」と、要素同士の関係を考える「物語鳥の視点」についてです。参考書籍は『鳥を見た〜4つの視点で呼吸を読み解く〜』。
第19回「鳥を見た(3)シンボルと体験」
「ボート虫」「岸辺虫」「モノ鳥」「物語鳥」という4つの視点。そこから見える風景は、それぞれ大きく異なります。虫の視点から鳥の視点へ移動することは上達と言えますが、気をつけるべきことがあります。鳥の視点は抽象化されたものなので、全体像はよく見えるけれども具体的な実感が乏しいという問題があるのです。参考書籍は『鳥を見た〜4つの視点で呼吸を読み解く〜』。
第20回「くらげ呼吸法(1)用語編」
水に学ぶ呼吸学校を代表するワークのひとつが「くらげ呼吸法」です。正式名称をジェリーフィッシュ・フロートといい、くらげの浮遊を意味します。この呼吸法は体幹部開発のためにデザインされました。骨盤底部、腹部、胸部、肩甲部を別々に使えるよう練習を重ねます。今回はくらげ呼吸法の用語について解説します。参考書籍は『くらげ呼吸法〜ぐにゃぐにゃの内臓から力が湧く〜』。
第21回「くらげ呼吸法(2)実習編」
くらげ呼吸法を実習します。終了後は身体が変化していることに気づかれるでしょう。体幹部がほぐれて温まり、動きやすくなっているはずです。内臓を大きく動かすため、血の巡りがよくなります。酸素と二酸化炭素の交換が進んで、頭もすっきりします。呼吸法は一生にこれひとつ覚えればいいと言えるほど、ゆたかな内容になっています。参考書籍は『くらげ呼吸法〜ぐにゃぐにゃの内臓から力が湧く〜』。
第22回「閉吸開呼(1)ゼロワン」
ラジオ体操の深呼吸では、息を吸うとき身体を開き、吐くときには身体を閉じます。ところがこれとは逆の身体操作を行なう呼吸法が存在します。すなわち、吸うとき閉じ、吐くとき開く。それが閉吸開呼(へいきゅうかいこ)です。今回は閉吸開呼ゼロワンというエクササイズをご紹介します。参考書籍は『閉吸開呼〜忘れられた秘法〜』。
第23回「閉吸開呼(2)ゼロスリー」
閉吸開呼ゼロスリーは点(0次元)と球体(3次元)の意識伸縮に合わせて呼吸を行ないます。最初は身体をすっぽり包むくらいの球体をイメージし、慣れてきたら球の大きさをどんどんスケールアップします。閉吸開呼は瞑想や宗教行法にもよく見られます。そのうちいくつかをご紹介します。参考書籍は『閉吸開呼〜忘れられた秘法〜』。
第24回「閉吸開呼(3)ハグ&リリース」
閉吸開呼を使った意識デザイン法として「ハグ&リリース」をご紹介します。自分にとっての「不都合」に気づき、向き合い、赦す、ここまでがハグつまり抱擁です。さらに感謝し、見送り、微笑む、これがリリースつまり手放しです。実践してみるとわかりますが、ハグ&リリースには強力な癒やし効果があります。
参考書籍は『閉吸開呼〜忘れられた秘法〜』。
第25回「トマト呼吸法」
ヨーガでは息を止めることを重視し研究を重ねました。なかでも「1:4:2」の比率には特別な効用があるとされます。私はこの呼吸法が、管楽器や声楽のウォームアップに使えることを知り、練習プログラムを整理してみました。さらに健康法や発想法としても効果があることに気づいたのです。現代的な1:4:2の練習法として「トマト呼吸法」をご紹介します。参考書籍は『トマト呼吸法〜12秒吸って48秒止めて24秒吐く〜』。
第26回「四つの腹式呼吸」
「息を吐くときの腹部の状態」に着目して、腹式呼吸を四種類に分類しました。息を吐くときに腹部が、A.へこむ x 動く、B.ふくらむ x 動く、C.へこむ x 動かない、D.ふくらむ x 動かない、です。これによって、歴史上存在したさまざまな腹式呼吸を整理することができました。また、対立し批判し合う各流派の主張がどのような関係にあるかも、ひとつの基準で把握できます。参考書籍は『腹式呼吸は四種類ある〜指を見るな月を見ろ〜』。
第27回「月と指」
あそこに月があるよと指さしたとき、月を見ないで指を見る場合があります。この比喩から展開して、対象を並んで見る「ナラミ」と、お互いに向かい合って見る「ムカミ」について解説します。四つの腹式呼吸の各流派が対立を続ける背景には、このムカミがあるのではないかという問題提起です。参考書籍は『腹式呼吸は四種類ある〜指を見るな月を見ろ〜』。
第28回「同調圧力を受け流す」
絆や仲間意識が強調され、強い同調圧力がかかる日本社会において、自らの道を歩むために心の護衛手段を持つことは重要です。他者の影響を最小限にとどめ、「和して同ぜず」の境地に至るにはどうすればいいでしょうか。ひとつのヒントとして身体に確固たる芯を立てる技法をご紹介します。参考書籍は『十二節〜同調圧力を受け流す呼吸法〜』。
第29回「天地を貫く芯」
カンガルーパイルという上下運動を使って身体に芯を通していくエクササイズです。まずは下方芯を感じて「足が地についた」状態を作ります。そして徐々に芯を上方へ伸ばしていきます。身体の内外に12個の「節」を設けて、それらをつなぐ方法も紹介。やがて天地を貫く大きな芯が育ち、和して同ぜずの境地に至ります。参考書籍は『十二節〜同調圧力を受け流す呼吸法〜』。
第30回「ヒフミフヒ上級」
基本の呼吸法「ヒフミフヒ」にトレーニング項目を追加することで、どんどん高度なメソッドになっていきます。まずは呼吸の折り返し点に凪(なぎ)を加えることで、ぐっと内容の濃い呼吸法を体験します。またヒフミフヒの「深さ」を変える、閉吸開呼を意識する、フィッシュスイムと組み合わせるなど、さまざまなバリエーションについてお話しします。参考書籍は『ヒフミフヒ〜呼吸法の初級から上級へ〜』。
第31回:あべこべの世界
第6回ポッドキャストで取り上げたSOシフトの続編です。Sが主体、Oは客体で、両者が役割を入れ替えるのがSOシフト。フィッシュスイムでは、私が背骨を動かす状態が「S主O従」、背骨が私を動かす状態は「O主S従」と表現できます。これはある種の視点移動であり、現場を超える能力でもあります。今回はSOシフトの練習法についてお話しします。参考書籍は『主客転倒〜呼吸が根底から変わる〜』。
第32回:白紙委任の海
SOシフトの世界に慣れ親しんでくると、いろんな分野に同様の現象があると感じます。それは仏教やキリスト教から、ポップスの歌詞にいたるまで。S(主体)に起きていることはすべて感知しながら、O(客体)側に身を置いて体験する。「苦しむ人」ではなく「苦しみを見る人」になるわけです。今回はその認識移動の方法についてお話しします。参考書籍は『主客転倒〜呼吸が根底から変わる〜』。
第33回:水の眠り
現代社会のストレスからか、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などを覚える人は少なくないそうです。それらの「睡眠障害」に対して、良質な睡眠を得るさまざまな方法が研究されているとか。水に学ぶ呼吸学校では「水の質感」を用いて熟眠へ誘導する呼吸プログラムが用意されています。参考書籍は『入眠呼吸〜20分の良質な休息〜』。
第34回:入地入天
水の質感と呼吸法を使って上質な仮眠へ導くリードメッセージです。寝転がって太陽の光を浴び、全身が草原にしみ込んでいくのが前半の「入地」。やがて日が沈み、満点の星空へ吸い込まれるように一体化するのが後半の「入天」です。サッと眠り、スキッと目覚める15分のプログラム。♪ music by nothing ♪ 参考書籍は『入眠呼吸〜20分の良質な休息〜』。
第35回:体内テーマパーク
水に学ぶ呼吸学校には2つの側面があります。ひとつは研究、学習、あるいは修行としてのアプローチ。もうひとつはエンタテイメントとしての呼吸法です。トレーニング体系全体をテーマパークのように設計し、個々のワークをアトラクションとして位置づける。そのテーマは「水」。さあ、水と呼吸の王国を旅してみましょう。参考書籍は『水と呼吸の王国〜身体はテーマパーク〜』。
第36回:練習にストーリーを
療養やリハビリを目的とするスパリゾートが、ヨーロッパには古くからあります。シャワー、サウナ、温冷浴、打たせ湯、バブルバス、マッサージなどを、一定の順序で、決められた時間だけ巡る処方箋が用意されているとか。水に学ぶ呼吸学校も、このようなプログラムを組めるよう設計してあります。今回はトレーニングのストーリーについてお話しします。参考書籍は『水と呼吸の王国〜身体はテーマパーク〜』。
第37回:場意識と像意識
人類は意識というテーマに向き合い、さまざまな形で記録に残してきました。ヨーガ、気功、宗教、医学、心理学などを調べると、各分野で表現に違いはあるものの、意識は操作が可能であるとわかります。意識を望みの質感、運動、形状に導くことを、ここでは「デザイン」と表現します。その前提となる「場意識」「像意識」についてお話しします。参考書籍は『風と凪〜呼吸による意識デザイン〜』。
第38回:無風状態
意識デザインの前提である「場意識」「像意識」の関係について解説します。また場意識の状態を整えて、凪(無風状態)へ導くことの意味を考察します。呼吸法の練習を重ねるうちに、この無風が大きなテーマとして浮上します。湖面が凪いでピタッと止まり、クリアに景色を映す。呼吸のコントロールによってその状態を作り出します。参考書籍は『風と凪〜呼吸による意識デザイン〜』。
第39回:外垂芯吊
意識デザインの前提として「場意識」を整えたうえで、好みの「像意識」を描きます。まずは基本となる「外柔芯剛」を作ります。これは意識デザインのうちステイティング(質感)とシェイピング(形状)にあたります。そこにスイッチング(運動性)を加えることで「外垂芯吊」という状態に移行します。参考書籍は『風と凪〜呼吸による意識デザイン〜』。
第40回:ステイト変換
呼吸を使って意識デザインを練習しましょう。まず天地を貫く「身体の芯」という像意識を作ります。その芯が月明かりの色に光り輝きます。光の強さを変えます。薄緑色に変えます。青りんごの香りが漂います。甘酸っぱい味も感じます。遠くから鈴虫の音色が聞こえてきます。色も、香りも、味も、音も、強くしたり弱くしたり自由自在の世界です。参考書籍は『風と凪〜呼吸による意識デザイン〜』。
第41回:ボトミング上級
ポッドキャスト第4回で取り上げたボトミングの上級ワークとして「底腹独立」をご紹介します。ボトムアップで息を吸えば自然に腹が凹み、ボトムダウンで吐けば腹は膨らみます。腹を操作しなくても底節につられて腹部が動くこの現象を「底腹連動」と呼びます。これに対して、腹部をボトミングと別に動かすのが底腹独立です。参考書籍は『底式呼吸〜骨盤底に眠る獅子〜』。
第42回:強く深い呼吸MOT
呼吸筋群を積極的に鍛える、いわば筋トレ系の呼吸法MOTをご紹介します。自分の限界を超えて「もっと」吸い「もっと」吐く。たいへんに強く深い呼吸ですので、じゅうぶんにウォームアップしてから取り組むことが必要です。最初に、ポッドキャスト第1回〜第6回でご紹介した「基本六教」を入念にやって身体をほぐしましょう。参考書籍は 『ウォームアップ〜呼吸法にできる5つのこと〜』。
第43回:アクターとウォッチャー
パートナーを見つけて姿勢をチェックし合うワークが、フタゴ(ふたりの五分間)です。このときマジックコインに乗って外柔芯剛の姿勢を取るのがアクター、それをチェックしてアドバイスするほうをウォッチャーといいます。身近にパートナーが見つからないときは、アクターとウォッチャーを兼任する上級テクニックもあります。参考書籍は『重力の滝に打たれて〜呼吸が深まる立ち方〜』。
第44回:肋骨でバタフライ
肋骨の自由度は呼吸の質に大きな影響を与えます。今回は肋骨開発法の基本として「バタフライ」というワークをご紹介します。慣れないうちはかなり奇異な動きに思われるはずです。あまり難しく考えないで、童心に帰って遊ぶように取り組まれるとよいでしょう。肋骨が少しでも動き始めると、肩こりは内側からほぐれ、首まわりや脇腹が楽になり、呼吸も深くなります。参考書籍は『肋骨が踊りだす〜蝶とカエルと孔雀のチャチャチャ〜』。
第45回:フロッグとピーコック
バタフライとは別の肋骨開発法として「フロッグ」と「ピーコック」をご紹介します。フロッグは平泳ぎの動きを、ピーコックはラジオ体操深呼吸の動きを肋骨で行なうものです。それぞれに正回転(フォワード)と逆回転(バックワード)があります。立位の場合、どんどん体重が前へ移動しがちなのでマジックコインを忘れずに。表情は親切フェイスです。参考書籍は『肋骨が踊りだす〜蝶とカエルと孔雀のチャチャチャ〜』。
第46回:歩き方(1)ニュースペーパー
水に学ぶ呼吸学校では、水をお手本にした歩きを探求しています。水が流れるように歩くのです。そのためには、呼吸と同じように「立ち方」が基本となります。重力と骨格の関係を調整し、無理のない入脱力を行なうためです。今回は歩きの3原理のうち、その場ですぐに使える「ニュースペーパー」についてお話しします。参考書籍は『水が歩く〜ウォーキング3つの秘密〜』。
第47回:歩き方(2)キトロ
ウォーターウォークの第2原理「キトロ」をご紹介します。これは「歩きとろけ」の省略形で、外垂芯吊の移動バージョンです。身体の芯はキープしつつ、体表面がトロトロに溶け落ちながら前方へ進みます。脚についてはフロアドローを効かせてください。水になったつもりで、しばらく歩き回ってみると感じがつかめるでしょう。参考書籍は『水が歩く〜ウォーキング3つの秘密〜』。
第48回:呼吸の無常性
呼吸のプロセスは一瞬たりとも同じ状態ではありません。吸いと吐きは正反対の運動です。吸いでも肺内の空気量が多いときと少ないときでは、身体の使い方がまったく異なります。吐きも同様です。細かく観察すれば一回一回の呼吸も内容が違うことに気づきます。今回は呼吸トレーニングにおける「動的無常」についてお話しします。参考書籍は『むすんでひらいて〜呼吸するたび世界は変わる〜』。
第49回:ルールを捨てる
なにもかもが高速で変化する「動的無常観」を前提とするとき、私たちはどのように学習を進めるべきでしょうか。まず身体運動のメカニズムなど呼吸のルールを学びます。次にそれらのルールから今度は離れます。頭で覚えた知識を身体に染み込ませるプロセスです。学んだものにとらわれないことが大切だからです。参考書籍は『むすんでひらいて〜呼吸するたび世界は変わる〜』。
第50回:矛盾を超えて
「A」が正しいとき、「無A」もまた正しい場合があります。このとき呼吸の比喩を使って、Aと無Aを「呼気と吸気」の関係で考えると興味深いことが見えてきます。「Aか無Aか」という水平比較から、Aでも無AでもないBへ抜け出る垂直移動の可能性が開けるのです。これが二者択一から「往復」への移行です。参考書籍は『むすんでひらいて〜呼吸するたび世界は変わる〜』。
第51回:リネーム(1)トレーニング用語
リネームは、ただ名札を付け替えることではありません。それは「位置づけ直し」のプロセスでもあります。混乱した情報に秩序を与え、差異を明確にし、イメージを与え、記憶に定着させる。名前を変えることで、世界はこれまでと異なる様相を呈し始めるのです。毎日繰り返し使う用語は特に配慮が必要でしょう。参考書籍は『リネームしなけりゃ意味ないね〜世界は名前を待っている〜』。
第52回:リネーム(2)意味を買う
消費生活において、私たちはモノを買っているようで、じつは「意味」を買っています。たとえば、名前を変えただけで売れるようになった商品がたくさんあります。それらは名前を変えただけではなく、ユーザーにとっての位置づけも変わっています。人間は名前がないと認識できないし、名前の通りに認識してしまうのです。参考書籍は『リネームしなけりゃ意味ないね〜世界は名前を待っている〜』。
第53回:リネーム(3)世界をカスタマイズする
リネームには「位置付け直し」「名付け直し」という2つのステップがあります。既存の分類法から新しいくくり方に変更したり、それまでにはなかった概念を創出するのが位置付け直しです。そこに新しい名前を与えるのが名付け直し。そのとき、名付けられる対象とそれ以外のものの差を際立たせることが大切になります。
水に学ぶ呼吸学校とは
水に学ぶ呼吸学校では、脱力法、立ち方、基本呼吸についての情報をお届けします。声楽、管楽器、弦楽器、邦楽などに役立てていただけます。人前で話すとき緊張しがちな方にもお薦めです。ご案内は講師の黒坂洋介。参考テキストとして「水の呼吸」シリーズを刊行中です。
※2024年現在、おもに声楽家を対象とした「歌う呼吸学校」を開催しています。
参考テキスト
<水の呼吸シリーズ>
水の呼吸シリーズ
刊行順に番号が付いていますけれども、各巻独立した読み切り作品です。ご興味に応じてどこからでも読み始められます。
水の呼吸シリーズの総集編が『呼吸研修テキスト〜水に学ぶ25のレッスン〜』です。
『呼吸研修テキスト〜水に学ぶ25のレッスン〜』
https://amzn.to/3SwzUpJ
本書は「呼吸研修」のグループレッスンおよびプライベートレッスン用のテキストである。本格的に呼吸法を学びたい人のために、個々のトレーニング法を網羅的かつ詳細に解説している。したがって一般向けの書籍でないことをお断りしておく。紙数の多い大冊であり、価格が高額なのはそのためである。
しかしながら本書の大部分は、テーマごとに電子書籍「水の呼吸シリーズ」として刊行されている。軽い気持ちで読んでみる方は、そちらをあたっていただきたい。ほとんどの巻が独立した内容となっているので、ご興味に応じてどこからでもお読みいただける。
その電子書籍25冊分を集めたのが本書である。一見すると絶望的にたくさんの課目があるように思える。しかしそれらは単なる情報の羅列ではない。そこには建造物のような構造がある。個々のワークがどう位置づけられるか、何をどれくらいどの順で練習すればよいか、そのヒントを最終章にまとめてある。
呼吸という大きなそして複雑な身体運動を解き明かすために、可能な限りやさしい表現を試みた。わかりやすく解説するために、ほぼ全編において対談形式のフィクションを採用している。水の呼吸の指導者である風来末先生と、弟子入りした中学生パイポくんの軽妙な会話によって、呼吸法の奥深い世界が語られる。
こちらはダイジェスト版です。
『水に学ぶ呼吸法スタートガイド2023』
著:黒坂洋介
https://amzn.to/3Tja5K9
呼吸法を学び始めたとき、以下のような指導を受けることが多いでしょう。すなわち「肩を上げてはいけない」「腹に息を入れる」「できるだけたくさん吸う」「吐くことは考えなくてよい」などなど。
これとは逆の教え方をされる場合もあります。「肩は上げてもいい」「腹ではなく肺に空気を入れる」「息を吸いすぎないこと」「吐くほうをメインに考えなさい」など、まさに正反対の指導です。そして両者の各要素が入り混じったメソッドもあり、学習者は何が正しいのかわからなくて戸惑います。
どうしてこんなことが起きるのでしょうか? ひとつの仮説として、呼吸という身体現象のある特定部分だけを見て、他の部分を見ないことから生じる混乱と考えられます。
たとえば「国」は政治、産業、ビジネス、ポップカルチャー、学問研究、教育方法、食習慣、市民生活などさまざまな要素の集合体です。そのうちどれかにだけ着目して「これがこの国だ」と述べれば、間違いではないにしても全体像を正しく表現していないでしょう。
呼吸法指導の現場で起きている状況は、これに似ているかもしれません。実際、呼吸は私たちがふつうに思うほど単純な運動ではありません。全身の筋肉、骨格、内臓、神経、血流、意識などと深く関わる、複雑で大きな現象なのです。
そこで呼吸法初学者が何にどういう順番で取り組めばよいか、入門書となるよう整理したのが、本書『水に学ぶ呼吸法スタートガイド2023』です。わかりやすく読めるだけでなく、これをテキストブックとしてセミナーが開催ができるようにも配慮しました。
呼吸法の楽しくて奥深い世界へ、さあ足を踏み入れましょう。