ワールド・プロジェクト・ジャパン  〜 合奏音楽のための国際教育プロダクション 〜


どうしてこんなにたくさんの学生が?

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2009年6月20日、大阪大学キャンパス内でウォーター&ブレス講習会を開催しました。

受講者は軽音楽部Swingのメンバーが中心ですが、甲南大学、神戸大学、同志社大学などからも何名か学生が参加。

驚くべきはその人数です。「自由参加」「有料」にもかかわらず、80名もの学生が集まり、教室は満員状態。しかもみんなモチベーションが高く、発言や質問なども熱心でハイレベルなものでした。

今回の講習会を主催したFくんに「どうしてこんなにたくさん集まったの?」と尋ねると、おもしろい答えが返ってきました。

阪大軽音楽部Swingおよびその一軍である The New Wave Jazz Orchestra では、このところ身体の使い方についての関心が高まっている。そのきっかけは、ドラマーたちが「モーラー奏法」を取り入れて成果を出していることだそうです。

モーラー奏法は「腕自体の回転力を原理とする奏法」であり、技巧派ドラマーのデイブ・ウエックルが熱心に取り組んだことで知られます。また、バディ・リッチのスティックワークは、ほとんどがモーラー奏法によるものといわれます。

ドラマーであり最近トランペットも始めたFくんによると、モーラー奏法で習うこととウォーター&ブレス理論に共通点が多いので興味を持ったのだとか。

外柔芯剛という身体の使い方は、モーラーとまったく矛盾しない。重力の影響を最大限に考慮して運動を組み立てる手法も同じだそうです。

モーラー奏法のベースとなったジョージ・B・ブルースの奏法原理は、約100年前に生まれたもの。100年前のアメリカがすばらしかったというよりも、この100年間に人類はなにを失ってきたのかという問いかけが切実かもしれません。

また同じ原理を、それよりもはるかに高いレベルで、360年以上も前に宮本武蔵が「五輪書」で書き残していたことにも目を向けるべきでしょう。

これをポジティブにとらえることもできます。20世紀後半から21世紀にかけて、生体力学や運動生理学が飛躍的に発展したことで、人間の身体運動に関する研究が進んだこと。

また情報化社会の到来により、古来「秘伝」「極意」として秘匿されてきた情報にアクセスできるようになったこと。さらに、それらの秘密情報に最先端の科学の光を当て、日々多くの発見が蓄積されていること。

しかも、ヨーガ、気功、古武術、アレクサンダーテクニーク、メディテーション、座禅、呼吸法などボディワークやメンタルワークに関心を寄せる人口が世界中で増加していること。

大阪大学ウォーター&ブレス講習会に渦巻く熱気は、変わりゆく世界の前衛(アバンギャルド)で感じるエネルギーなのかもしれません。

投稿者 kurosaka : 2009年6月20日