北京市海淀小学
北京市海淀小学
2009年11月、私(黒坂)は日米の吹奏楽・管楽器指導者とともに北京を訪問し、呼吸法指導する機会を得ました。ある日、Bill Johnson氏(元WASBE会長)と黒坂は北京市海淀小学へ出向きました。
海淀(ハイディアン)小学は芸術教育に力を入れています。吹奏楽、合唱、ダンス、中国音楽などのコースに分かれて、英才教育的な指導がなされているようです。演奏はさすがに上手です。
小学三年生のクラスをのぞかせてもらうと、トロンボーンの教室、テューバの教室、ユーフォニア
ムの教室など、楽器別に分かれて指導を受けていました。教えているのは人民解放軍の楽団員だそうです。
さて、クリニックは私のウォーター&ブレスから始めました。日本語から中国語への通訳はいつものジアさんです。
小学生が対象なので、いつもはテンポ46でやるところを60にして呼吸法をやってみました。それでも12拍吸って12拍吐くという呼吸は苦しい様子。
そこで立ち方のトレーンングです。重心を足節に落として体表面の力を抜き、身体に芯を通す。その立ち方ができるようになると、あ〜ら不思議、12拍の呼吸が難なくできるではありませんか。
さらにフィッシュスイムを指導すると、子供たちはニコニコしながら背骨を揺すっていました。そうして体幹部がほぐれたところで、今度はテンポを46にします。ウォータートレーニングの威力は見事で、12拍の呼吸が涼しい顔でできました。
そこまで身体が整ってからMOTに取り組みます。この苦しい呼吸法を、目を白黒させながらやっていましたが、さすがに小学生は飲み込みが早い。姿勢をキープしたまま強く吐くコツを短時間でつかんだようでした。
つづいてBill Johnson氏のバンド指導。音楽には「ダンスの部分」と「歌の部分」があるという説明。ダンス部分と歌部分をどう表現しわけるかというおもしろい話で子供たちを引き込んでいきます。
数十分の指導がすぎた頃、海淀小学の指揮者リー先生(この方はじつは大物なんですが、それはいずれご紹介します)が私のところへいらして話しかけてくださいました。「子供たちはすぐに忘れてしまうので、呼吸法をもう一度復習してやってほしい」とのこと。
ひとつ大きな問題がありました。ウォーター&ブレス指導が終わった時点で、日本語通訳者のジアさんが帰ってしまっていたことです。
どうしようかなと思ったのですが、英語通訳者のヤンさんが「英語で言ってくれれば私も訳せますよ」とのこと。そうか、さっきジアさんが中国語に訳したのを会場で聞いていたから、内容を把握しているんですね。
そこで私は思い切って、ウォーター&ブレスを英語で指導してみることにしました。それをヤンさんが中国語に訳すわけです。
ふたたび指揮台に立った私は、子供たちに事情を説明しました。「日本語からの通訳者がもう帰られたので、今回は英語でやります」。子供たちからは「すごい〜!」という歓迎の声があがりました。謝謝!
子供たちもヤンさんもすでに内容を知っているので、私の未熟な英語でもなんとかテンポよく呼吸法やフィッシュスイムをリードすることができました。道は開けるものですね。
投稿者 kurosaka : 2009年11月20日