フカコ(深い呼吸の練習)
トリップ感をともなう魔性の呼吸
フカコは呼吸の「長さ」を変えずに「深さ」だけを変えていくもの。残気70%まで吸って40%まで吐き、80%まで吸って30%まで吐く、のようにどんどん換気量を増やしていく。
フカコの特徴はなんといっても、その「激しさ」。大量の空気が短い時間に出入りをくり返すため、心身の状態が一気に変化する。トリップ感をともなう魔性の呼吸である。
ここでは呼吸の時間は一定に保つ。たとえば2秒吸って2秒吐くことにする。この時間サイクルで、まずは60%まで吸い50%まで吐く呼吸をくり返す。鼻から吸って口から吐く。これはふだんの呼吸だから、なんの問題もなくできるはずだ。
次に70%まで吸って40%まで吐く。残気量は主観で構わない。だいたい70%くらいかな、これで40%くらいかな、というあたりで呼吸しよう。70−40%だと、深呼吸しているぞという実感があるだろう。
さあ、次は80−30%だ。けっこうキツくなってくる。さらに90−20%、100−10%と、どんどん呼吸を深くしていく。そして、吸える限界まで吸って吐ける限界まで吐く100−0%を練習する。
100−0%を数回やったら、息を深く吸い、数秒間止めてからゆっくり吐き出そう。そしてしばらく休憩する。休憩前に「息を止める」ことをしておかないと、めまいがしたり気分が悪くなる場合があるので、忘れずに止息を行なう。
ここまでの練習を重ねると、肋骨まわりの筋肉群もほぐれてくる。するとこれまでの自分の限界(FとL)を超えて吸ったり吐いたりできるようになる。それを意識的に練習するのが110−△10%である。 △10%は「マイナス10%」を表現している。自分の吸いの限界も吐きの限界も、それぞれ10%ずつ超えるつもりで、大きく吸って、大きく吐こう。
4呼吸から8呼吸程度行なったら、たっぷりと息を吸い、数秒間止めてからゆっくり吐く。そしてしばらく休憩である。
この呼吸練習にはいくつかポイントがある。
●鼻から吸って口から吐く。
●首から肩の力を抜いておく。
●胸も背中もゆるめておく。
●なるべく姿勢をまっすぐ維持する。
●息を吸うときのけぞらない。
●息を吐くとき前傾しない。
参考資料:
アサコ・フカコ・ナガコ
アサコ(浅い呼吸の練習)
フカコ(深い呼吸の練習)
ナガコ(長い呼吸の練習)